
うしのはま先生のコラム
水腎症についてご存じですか?原因や治療について解説!

お子様によく見られる腎臓・泌尿器疾患の一つに「水腎症」というものがあります。
夜尿症や膀胱炎といった疾患に比べると水腎症はあまりメジャーな病名ではないかもしれません。
「水腎症って何?」と思われる方も多いことでしょう。
しかし水腎症はとても珍しい病気ということもありません。
今回は水腎症とはどんな病気なのか、その原因や治療法についても詳しく解説していきたいと思います。
水腎症とは、腎臓から尿道までの経路で起こる疾患です
腎臓で作られた尿は、本来尿管・膀胱・尿道を通して体から排出されます。
しかし、なんらかの理由によってこれらの経路で障害が生じると、尿がうまく排出できなくなり、腎臓が腫れたり腹痛を起こしたりすることがあります。
この、尿の停滞によって腎臓や尿道がせき止められてしまった状態を水腎症といいます。
大人の場合は、尿路結石や排尿障害、腫瘍などによって水腎症になることがあり、症状の度合いに合わせた治療が行われます。
胎児や生まれたばかりの赤ちゃんに見られる疾患でもあるため、そういった場合は小児の泌尿器科で診断を行います。
小児の水腎症が起こる原因
お子様の水腎症の多くは、生まれつきの疾患(先天性疾患)であると言われています。
中でも、生まれつき腎臓から尿管までの道が狭いことで水腎症になってしまうケースが多く見られます。
また、尿管から膀胱までの道が狭いというケースもあります。
先天的な腎盂尿管移行部通過障害(腎臓から尿管までに狭窄がある状態)はお子様1000-2000人に1人程度です。
なお、こうした先天性の水腎症は、男の子に多く見られる傾向があるとされています。
そのほか、ある程度の年齢になると、尿路感染症などによって水腎症の症状が出てくることも考えられます。
診断は胎児の超音波検査でも可能です

かつて水腎症は、腹痛やお腹の膨らみといった問題が起こってから検査を行い、そこで初めて見つかるものでした。
しかし最近は、お腹の中にいる赤ちゃんの超音波検査でも先天性の水腎症リスクを確認することができるようになっています。
水腎症は1%ほどの胎児に見られるという、それほど珍しい病気ではありません。
また、早急な治療が必要ということはほとんどなく、軽度であれば自然治癒することも多く見られます。
一方で、生まれた後の検査によって水腎症の進行が見られる場合には、その度合いに合わせた治療を検討する必要があります。
水腎症の治療方法
尿の通り道が極端に狭く、閉塞が見られる場合、手術を行って状態を改善する必要があります。
腎臓から尿管までが狭い場合には、横腹を切開して狭くなっている部分を切除し、新たに尿管を繋ぎ直す処置を行います。
近年では開腹手術は行わず、腹腔鏡手術を用いるケースもあります。
また、腎臓から膀胱までの道で狭窄が起こっている場合は、下腹部を切開して尿管と膀胱を繋ぎ直します。
水腎症のほとんどは、こうした尿の流れ道を改善することで良好な予後が見られます。
一方で、尿路感染症や腫瘍など先天性の狭窄以外に原因がある場合には、そういった疾患を改善するための治療を行うことで水腎症も解消されます。
目に見えない部分だからこそ、異変を察知する必要があります

水腎症に限ったことではありませんが、病気の中には目に見える変化が少ないものもたくさんあります。
それこそきちんと検査をしたら分かる病気も、痛みなどがなければ気づくことさえできません。
また、言葉を話せない年齢のお子様の場合、異変があってもそれをうまく伝えるのは難しいでしょう。
気になる症状が出ていなくても、尿検査で指摘があった場合などはきちんと診察を受け、必要に応じて適切な治療を受けるようにしましょう。
受診の窓口は小児泌尿器科です。わからないことがありましたら、当院へもお気軽にご相談くださいね。





